あなたは「ほうれんそう」の育て方を知りたいと思っていませんか?
ほうれんそうを育てみたいけど、何から始めればいいかわからない。
家庭菜園を始めてみたいけど、手間がかかりそうだし。
あなたはこのように悩んでいませんか?
わかります!過去の私もそうでした。
でも、重要なポイントを知ることで、すごく美味しい「ほうれんそう」ができるんです。
本記事では、重要なポイントをまとめています。
農家の息子と結婚し、子育てをしながら田舎に移住歴3年の私が、
「ほうれんそう」の育て方とは?お手入れ方法&失敗しない方法を含めて解説します。
さっそく準備を始めましょう!
ほうれんそうの育て方
基本情報
科名属名 | ヒユ科ホウレンソウ属 |
---|
日照条件 | 日なた |
---|
生育温度 | 15〜20℃ |
---|
栽培のスタート | タネから |
---|
水やり | 土が乾いたときにたっぷりと水をやる |
---|
特徴 | 酸性土壌に弱い |
---|
タネまきの時期 | 3月中旬〜5月下旬、9月〜10月 |
---|
収穫期 | 5月中旬〜6月、10〜2月上旬 |
---|
植え付けから収穫までの期間 | タネまきから30〜50日(秋まき)、30〜40日(春まき) |
---|
農家のママ
ほうれんそうは、春と秋のタネまきがおすすめよ。暑さに弱くて、25℃以上になると病気になりやすいわ。夏はとう立ちしやすいのよ。
農家の娘
ふーん。暑さに弱いんだ。ところで、とう立ちって何?
農家のママ
ほうれんそうは、12時間以上、光に当たると花芽が出てしまうの。すると、花芽に栄養をとられてしまって、葉が固くなるのよ。
農家のおじいちゃん
ほうれんそうは寒くなると、中の水分を減らして糖度を高める働きをするのじゃ。ほうれんそうは自分が凍らないように身を守っているんじゃぞ。冬にとれるほうれんそうは、甘味があっておいしいぞ。
プランター栽培の育て方
農家のおばあちゃん
まずは、初心者におすすめのプランター栽培の準備と育て方を説明するわね。
最低限の準備
ほうれんそうの種 | 市販、通販 |
---|
プランター | 標準サイズ(650型、20×20×65cm、12ℓ) |
---|
土 | 市販の培養土 |
---|
害虫対策 | 防虫ネット(目が0.5mmのもの) |
---|
おすすめの肥料 | 化成肥料など |
---|
あると便利なアイテム | 園芸用ハサミ/じょうろなど/鉢底石など |
---|
(・地植えの場合は、くわがあると便利です。)
農家のおじいちゃん
ほうれんそうの種類はたくさんあるぞ。何を作ればいいか迷ったら、
「強力オーライ」がおすすめじゃ。
農家のおばあちゃん
そうね、強力オーライは土質を選ばないから、家庭菜園で作りやすいわね。初心者の方でも安心よ。
農家のおじいちゃん
ほうれんそうはタネが硬いから、発芽がそろいにくいといわれておるぞ。でも、ネーキッド種子を使えばバッチリじゃ。
農家のおじいちゃん
タネの硬い殻を最初からとってあるタネのことじゃ。タネから芽が出やすいように工夫してあるんだぞ。
農家のおばあちゃん
ほうれんそうの種類には、ベビーリーフもあるわよ。タネが出てから30日くらいで収穫する若い葉っぱのことよ。やわらかいし、アクが少ないからサラダで食べると美味しいわよ。
土入れからタネまきまで
- プランターの底が見えなくなるくらい鉢底石を敷く。
- 培養土を入れる。(水やりをしたら土があふれるので、土は全部入れずに2cmあけておく。)
- 10cm間隔で、深さ1cm程度の溝を2列作る。
- 溝に1cm間隔ですじまき(同じ間隔で1列にタネをまくこと)をする。
- 溝の両側から、土を指でつまむようにしてかぶせ、手で軽く押さえる。
- プランターの底から水が流れ出るまで、たっぷりと水をやる。
- その後は、土の表面が乾いてきたら水をたっぷりと与える。
地植えの土のこだわり方のポイント
農家のママ
ほうれんそうは、酸性の土にとても弱いから
pHは6.5〜7.0がベストよ!必ず
酸度計で酸度を測ってね。
農家のおじいちゃん
苦土石灰の苦土とはマグネシウムのことなんじゃ。野菜が元気に育つために、必要な栄養なんだぞ。
石灰は、粒と粉の2つのタイプがあります。粒の方が風に飛びにくいのでおすすめです。粒の方が値段が高いので、費用を抑えたい方は粉のタイプをおすすめします。
土の酸度を上げるためよ。ほうれんそうはアルカリの土が好きなのよ。
そうよね。でも難しく考えなくていいわ。酸性とアルカリ性のどちらに傾きすぎても、野菜の育ちが悪くなるの。でも、野菜によって好きな土の酸度があるから、事前にチェックしてね。
苦土石灰は土になじむまで時間がかかるので、1〜2週間おいておきましょう。
ほうれんそうはアルカリが好きだったら、石灰をいっぱいまけばよく育つんじゃないの?
たくさんやればいいっていうものでもないのよ。ほどほどにね!
石灰のやりすぎは、マンガンという栄養素が欠乏するので葉っぱが黄色くなります。
農家のおばあちゃん
1〜2週間おいたら、畝を60cmとし、1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料100gを入れて耕しておきましょう。
農家のおじいちゃん
そうじゃな。化成肥料を与えすぎると土が硬くなりやすいから、きちんと分量を守るのじゃ。
ほうれんそうの根は40〜60cmとよく伸びるので、できる限り深く耕しましょうね。
種まき
そうじゃ、1列か2列のタネをまく溝を作って、すじまきにするのじゃ。タネは1cm間隔にまき、1cmの土を被せて、たっぷり水やりをしておけよ。
間引きが大変になるので、タネは混み合わないようにまきましょう。
間引き・追肥・土寄せ
農家のおばあちゃん
タネまき後、7日目くらいに双葉が開いて、本葉が見え始めたころ3〜4cm間隔に間引きます。
農家のおじいちゃん
おばあさん、間引いた後は、
化成肥料を1㎡当たり30g追肥しておいてな。株元に軽く土を寄せといてくれよ。
農家のおばあちゃん
わかってますよ。おじいさん!1株を大きく育てたい時は、本葉が3〜4枚のころ、もう一度5〜6cm間隔に間引きます。2回目の追肥は、草の丈が8〜10cmのころ行うといいですよ。
ほうれんそうの「お手入れ方法」
ほうれんそうのお手入れは、土作りさえしっかりしていれば、あとは簡単です。
水やり
農家のママ
ほうれんそうはの水やりは基本は朝だけでOKよ。土が乾いたなと思ったら水やりをしましょう。水のやりすぎは立ち枯れ病などの病気の原因になるわよ。
立ち枯れ病
根から胚軸にかけて変色・腐敗し、苗は枯れ立ち枯れた状態になること。
25℃以上では、土壌水分が多いと発生が多くなる傾向があります。
・一般的には5cmの高さの畝を作りますが、水はけが悪い場合は10〜20cmの高さにする方法もあります。
・牛糞などの堆肥を入れて水はけをよくしましょう。
温度と湿度の調節
ほうれんそうは15〜20℃が適温です。
湿気が多いとべと病になりやすので気をつけましょう。
寒さには強いですが、気温が下がってくると対処が必要です。
農家のママ
寒い時は,霜や冷たい風で葉っぱが痛みやすいの。不織布や寒冷紗をかけてあげると、保温になるのよ。
日照条件
農家のおばあちゃん
ほうれんそうは、日当たりがいいところが好きなのよ。でも、暑さには弱いから、直射日光が当たるところは避けたほうがいいわ。冷たい気候でも育つから、日当たりはそんなに気にしなくても大丈夫よ。
「一般的な害虫の対処法」
ほうれんそうにつきやすい害虫
蛾の幼虫 | 春〜秋に出やすい。体長は1mmなので、目の細かい防虫ネットで覆う。 |
---|
アブラムシ | 湿度の高い時期に出やすい。体長は0.5mmなので、目の細かい防虫ネットで覆う。 |
---|
ダニ | 寒い時期に出やすい。対策はダニがいない土を選ぶこと。(市販の培養土ならOK! 堆肥が入っているものは、ダニが入っている場合があるので注意が必要) |
---|
アザミウマ | 暑い時期に出やすい。体長は0.5mmなので、目の細かい防虫ネットで覆う。 |
---|
ヨトウムシ | 夜に活動し、食欲旺盛なので葉っぱを食べてしまう。対策は、卵のうちは除去するか、防虫ネットで覆う。 |
---|
アブラムシ、ヨトウムシが繁殖してしまった場合は、アーリーセーフという農薬がおすすめです。
農家のママ
葉っぱにカビがついて病気になるのよ。湿気が多いとなりやすいの。湿気が多い時期は、抵抗性品種といってべと病に強いほうれんそうを選ぶといいわよ。病気になった株は、すぐに抜いて、遠くに捨てるのよ。
農家の娘
はーい。病気にならないように葉っぱをよく見とくね!
収穫
農家のおばあちゃん
草の丈が20〜25cmになったら、収穫します。春まきは30〜40日くらい、秋まきは30〜50日くらいで収穫できます。
農家のおじいちゃん
ほうれんそうは、根を引き抜いて収穫するぞ。抜いた後、根を切っておくのじゃ。
うまくいかない場合
農家のおじいちゃん
ほうほう、それは栄養不足かもしれんな。ほうれんそうは、よく作り込んだ土でないと育たんのじゃ。あとは、周囲の環境をよく観察するのじゃ。
畑に傾斜があると雨水が高いところから低いところへ流れてしまうので、傾斜が高いところは痩せた土になりがちです。
→畑に傾斜がないか確認しましょう。
山に面していて、大きい木があるところは育ちにくいです。木の根が畑の土の栄養を吸ってしまっているかもしれません。
→畑を耕すときに、木の根っこを取り除いておきましょう。
農家のおばあちゃん
それはね、ほうれんそうに長い時間、光が当たってしまったのかもしれないね。夏の時期をさけること。もう一つは、トウ立ちしにくい品種を選ぶといいわよ。
農家のおじいちゃん
土が酸性に傾いているかもしれんぞ。酸度計で測ってpHが低かったら、石灰をまいた方がいいぞ。
ほうれんそうの調理法
ほうれんそうは、ビタミン、ミネラル豊富です。
葉先にはビタミンが多く、根元にはミネラルやポリフェノールがたっぷりです。
また、鉄が含まれています。ビタミンCと一緒に取ると吸収がいいので、レモンをかけて食べるといいですね。
農家のおばあちゃん
ほうれんそうには、シュウ酸という成分があります。そのまま食べるとエグいので、茹でて食べてくださいね。茹で時間が1分くらいなら、栄養はたくさん流れないです。
農家のおじいちゃん
そうじゃな。サラダほうれんそうは生で食べられるから、栄養がしっかり取れるぞ。甘みがあっておいしいから、サラダがおすすめじゃぞ。
農家のママ
サラダもいいね。おいしいほうれんそうができたら、根っこに土がいっぱいついてるからよく洗ってね。根っこに十字の切れ込みを入れておくと、土が落ちやすいわよ。
そうなんだ。ママ、ほうれんそうは根元のところも食べられるの?
農家のママ
もちろん食べられるわよ。根元は骨を育てるマンガンがあるから、しっかり食べてね。
農家のママ
あと、茹でる前にほうれんそうを氷水に10分さらしておくと、シャキッとしてもっと美味しく食べられるわよ。
まとめ
「ほうれんそう」はタネを植えてから、収穫まで早いので家庭菜園にぴったりです。栄養もたっぷりで、幅広く料理に使えるのでおすすめですよ。
プランターでも簡単に栽培できるので、子育て中の方は一緒に育ててみるといいですね。
子どもは、緑の野菜を嫌がることが多いですよね?
収穫した野菜を、目で見て触れることで
野菜に興味を持ってくれるようになるといいですね。
野菜を育てることはとても楽しいので、ぜひ一緒に始めてみませんか?
- 土の酸度を確認する。
- トウ立ちしにくい品種を選ぶ。
- 肥料をしっかりやる。
- 夏は栽培しない。
- 11月以降は保温を不織布か寒冷紗で保温する。
- タネは水につけて芽出ししておく。(またはネーキッド種子を使用する。)