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そら豆の育て方とは?準備から収穫まで分かりやすく解説します!

これからの季節、「そら豆」の育て方を知りたいという方がいらっしゃるのではないでしょうか。収穫時期によって「しっとり感」と「ホクホク感」が味わえる「そら豆」を思う存分堪能したくありませんか?

茹でて食べるのはもちろん、さやごと焼いても美味しいですし、炒め物やかき揚げに入れることもできる「そら豆」は、うれしい栄養もたくさん。タンパク質、ビタミンC、ビタミンB群、葉酸、食物繊維、カリウムなどが豊富に含まれています。

この記事では、初心者の方もすぐに始められるように「そら豆」栽培の準備から収穫までに必要なポイント・注意点を分かりやすく解説していきます!

そら豆の育て方

そら豆

 

そら豆は、春と秋に栽培することができる緑黄色野菜です。発芽の失敗が少なく手間はあまり掛からないので、家庭菜園に育ててみたい野菜のひとつです。

そら豆は、露地栽培、プランター栽培のどちらでも可能です。育て方に適している時期は、その年の気候や地域によって変動はありますが、1~2月10~11月に種まき2~4月10~11月に苗の植え付けを行うと良いでしょう。

【種まき】(育苗)

春まき・・・1~2月  /  秋まき・・・10~11月

【植え付け】

春まき・・・2~4月  /  秋まき・・・10~11月

【収穫】

春まき・・・5~7月  /  秋まき・・・翌4~6月

【栽培適温】

15~20℃

【栽培期間】

種まきから一番花開花まで140~150日 / 開花から収穫まで1ヶ月~40日

【連作】

最低でも4~5年は同じ場所に植えないこと

そら豆名人
そら豆名人
「そら豆」という名前の由来は、まるで空に向かって生育しているように見えることから名づけられたそうよ。通常、マメ科の植物のさやは下向きにつくの。でも、そら豆はさやが上向きにつくから不思議ねぇ。
シンコ
シンコ
まさに見た目からつけられた名前だったんですね!これから育てるのが楽しみです♪

そら豆の栽培準備

分類マメ科 / ソラマメ属
原産地地中海 / 西南アジア
英和Faba bean / broad bean / horse bean
和訳蚕豆そらまめ / 天豆てんまめ
市販の野菜培養土など
おすすめの肥料堆肥たいひ苦土くど石灰/緩効性かんこうせい肥料/化成肥料など
害虫対策薬剤/防虫ネット/マルチ/雑草除去など
病気対策ベルクート/カンタスドライフロアブルなど
あると便利なアイテム支柱/ひも/マルチ/寒冷紗かんれいしゃ/防虫ネット/新聞紙/手袋など

そら豆の種類4つ紹介

そら豆

1.【早生わせそらまめ】

生育が早く、豆はやや小さめなのが特徴です。豆の大きさが2cmくらいの小~中粒種で、粒皮はきれいな緑色です。さやつきがとてもいいので、たくさん収穫できます。

2.【三連】

さやの一寸そら豆で、3粒さや率がとくに高いのが特徴です。豆の大きさは3cmくらいあり、ボリュームがある大粒で食味も良好です。実の色は鮮やかな緑色で、へそ(おはぐろ)の色は変色しません。草勢そうせい(植物が成長する勢い)が強く栽培しやすい品種のひとつです。

3.【仁徳一寸じんとくいっすん

豆、さやともに鮮やかな濃緑色なのが特徴で、あきらかに他の品種と区別ができる色味です。豆の大きさは3cm前後の大粒で、柔らかい食感で甘みに富んでいます。草勢そうせいが強く分けつ数も多いので、とても栽培しやすく豊産です。

4.【さぬき長莢早生ながさやわせ

1さやに5~6粒入るのが特徴で、長めの丸さやです。草勢そうせいが強くさやつきも抜群にいいため、とても多く収穫できます。耐寒性が強いため、秋からの栽培で心配な冬越えも安心です。

土のこだわり方のポイント3つ紹介

土のこだわり

 

 

●直まき・定植の2週間以上前

⇒ 苦土くど石灰(1平方mあたり約150g)を土に混ぜ込む

●直まき・定植の1週間前

⇒ 堆肥たいひ(1平方mあたり約2kg)/ 化成肥料(1平方mあたり約50g)を土に混ぜ込む

プランターに植える場合

・市販の野菜培養土を使ってもいい

・自分で配合するとき → 『赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1』を配合した混合土に『石灰(用土10ℓあたり10g):化成肥料(用土10ℓあたり10~30g)』を配合し混ぜ込む

市販の野菜培養土を選ぶ際は、「今日から野菜 野菜の肥料」もしくは「ハイポネックス 野菜の培養土」がおすすめです!

畑などに地植えする場合、うねを作るときは幅60cm/高さ10cmにします。

種から植え付けるときのポイント4つ紹介

●種の発芽適温 → 20℃前後

発芽にかかる日数 → 5~7日後

種まきの時期 → 1~2月 / 10~11月

蒔き方

【直まき】 / 【育苗(9cmポリポット)】どちらも同じ。

・種のおはぐろ(黒いへそ部分)を斜め下にむけて土に押し込む

・種の頭部が見えるくらい浅まきにする

・水やり後、土が動いているときは上から土を薄くかけておく

種まき後は、新聞紙やわらを用い乾燥を防いであげましょう。ポリポットの上には新聞紙を広げておき、直まきした畑の上にはわらをかけておきます。

そら豆名人
そら豆名人
マメ科の種は、植え付けた後に鳥に狙われやすいから気を付けてね。
シンコ
シンコ
えっ!被害を防ぐにはどうしたらいいんでしょう。。
そら豆名人
そら豆名人
直まきした後は寒冷紗かんれいしなどで種を守ってね。直まきすると腐りやすいときがあるから、育苗ポットで種を発芽させるのもオススメよ。
シンコ
シンコ
なるほど!さっそく試してみます!

寒冷紗かんれいしゃとは、植物をおおって保護する資材のひとつです。夏場の高温や強い日差しを防いだり、防寒や防風、防虫対策の目的で使用します。

網目状に荒く織り込まれており、材料には化学繊維・綿・麻などが使われています。黒・白・銀・透明色があり、用途に応じて使い分けます。

育苗期のしおれ予防によく利用されます。通気性がよく、めくらずに水やりできるのが特徴です。

ポット苗から植え付けるときのポイント

そら豆 ポット苗

●苗の本葉が2~3枚(育苗日数15~20日)を目安に植え付ける

植え方

【露地栽培】 / 【プランター栽培】どちらも同じ。

・根鉢より少し大きめの穴を掘る

・根鉢を崩さないようにやさしく苗を穴の中へ入れる

・苗植え後、周りの土を株元に寄せて苗の根本を軽く押さえる

●株間

【露地栽培】   ・・・・40~50cm程度

【プランター栽培】・・・・15~20cm程度

プランターに植える際は、大型サイズ(60cm~)/大型の深底タイプのプランターを用意しましょう。

そら豆の株間は15~20cm程度必要なので、大型のプランターであれば3株ほど植えることができます。

露地栽培・プランター栽培どちらも、植え付けが終わり完全に根付くまではたっぷりと水やりを行ってくださいね。

本葉数が5枚以上になると耐寒性が弱くなり、寒害を受けやすくなります。植え付けが遅れると植え傷みしやすいので注意しましょう。

整枝せいし

そら豆の枝が次々と分枝・成長し開花が始まった頃、光量不足にならないように整枝せいししましょう。

整枝せいしする際は、太い枝を6~8本残すのが目安です。

整枝せいし後は、株元が隠れる程度に土をかぶせ、 通路に追肥を散布します(通路2平方mあたり化成肥料約25g)。

そら豆名人
そら豆名人
さらにこの後、枝が伸びすぎてしまったときは、そら豆が倒れてしまわないように上部を刈り取って株元に土をかぶせておくといいよ。
シンコ
シンコ
わかりました!そら豆の成長具合をしっかり見てお世話していきますね♪

支柱立て

そら豆は、茎が弱く風の影響を受けやすい植物です。草丈が60cmに成長した頃に、株が倒れてしまわないよう、周囲をひもで囲ってあげましょう。

【露地栽培の場合】 

・用土から長さ1.5m程度の支柱を苗の両側に立てる

・30cmずつ間隔を空け、ひもを3~4段張る

【プランター栽培の場合】

・春になり側枝が一気に伸び始める前に支柱を立てる

支柱は、直立式のものでも大丈夫ですが、市販されている「あんどん型の支柱」を使用するのもおすすめです。

そら豆の「お手入れ方法」

農作業道具

そら豆は、発芽の失敗が少なく手間はあまり掛かりませんが、とにかく旬が短い野菜です。せっかく栽培するなら一番美味しく立派なそら豆を収穫して食べたいですよね。ここでは水やりや肥料の調整など野菜作りには欠かせないお手入れ方法を紹介していきます。

栽培場所

●日当たりが良く、風通しの良い場所

●排水が良く保たれた場所

水やり

水やり

【冬の水やり】

回数を少なくし、日中の温かい時間帯に行いましょう。

【春の水やり】

生育が良くなり用土の表面が乾いたタイミングで、たっぷり水を与えてあげましょう。

そら豆の開花時期は、水分を多く必要とします。乾燥に気を付けながらしっかり水分を与えましょう。

温度と湿度

【温度】

そら豆の生育適温は15~20℃です。冷涼な気候を好みます。

【湿度】

そら豆は湿度が高いと病気を発症しやすくなります。とくに梅雨の時期の栽培・管理には注意をはらいましょう。

土のサイクルと(追肥)肥料の調整

マメ科の植物は、全般的に肥料が少なくても良く生育しますが、そら豆は肥料を必要とするほうです。そら豆の追肥を行う際は、肥料切れを起こさないように気を付けましょう。

【追肥の回数】 ・・・・ 3~4回程度

【追肥の時期】

・1回目の追肥 → 草丈が20cm程度になる2月中旬頃

・2回目以降の追肥 → 花が咲いて生育が早くなってきた頃、実が成熟するまでの間に2~3回程度行う

【追肥の仕方】

①株から少し離れたところに化成肥料を1株あたり5gほどばら撒く

②周囲の用土と軽く混ぜ合わせる

害虫対策5つ紹介

そら豆害虫

1.【アブラムシ】

アブラムシは黄色や黒色の小さな虫です。繁殖力が高く、大量発生します。葉の裏に付いて吸汁し、葉の萎縮や生育阻害を引き起こします。重症化すると落葉、枯死こししてしまいます。排泄物によって葉をベタベタにし、すす病や様々なウイルス病を媒介する厄介な害虫です。

ー防除方法ー

・天敵のテントウムシを利用して防除する方法があります。テントウムシは1匹あたり10~100匹のアブラムシを捕食すると言われています。ビニールハウスをはじめ、テントウムシが逃げにくい環境の中でアブラムシを駆除したいときにおすすめです。

・アブラムシと共存関係にあるアリを駆除することも有効です。

2.【アザミウマ】

アザミウマは体長1~2mmの黄色や黒色をした害虫で、幼虫と成虫の両方が見られます。葉や茎について吸汁し、葉に白い斑点ができます。食害が増えると葉全体が褐色になり、そのまま放置すると枯死こししてしまいます。

ー防除方法ー

・防虫ネットを張り、アザミウマの産卵を防ぎましょう。大量発生すると薬剤が行き届きにくくなってしまいます。

3.【ヨトウムシ】

ヨトウムシは主に夜間に出てきて植物を食い荒らす害虫です。ふ化した幼虫は、卵塊の周りから複数個体で食害していきます。幼虫の行動範囲は徐々に広がり、食害もひどくなります。成長すると昼間は土の中に隠れています。

ー防除方法ー

・葉の裏に卵を見つけたら、葉ごと処分して大量発生を防ぎましょう。

・被害があったときは、付近の土を掘って駆除することも可能です。

・幼虫が小さいうちは薬剤での防除も有効です。

4.【カメムシ】

カメムシは集団で発生して葉やくきを吸汁し、株の生育に悪影響を与える害虫です。

ー防除方法ー

くきを揺らすと下に落ちます。バケツを置いておくと触れずに捕獲できます。

・忌避効果のあるマルチや目の細かい防虫ネットを張ると、発生数を減らすことができます。

・発生の温床になる雑草はこまめにとりましょう。

5.【コガネムシ】

コガネムシは、幼虫が食害を行います。収穫量や品質に直接影響が出てしまいます。成虫は6~9月に発生し、土の中に産卵します。

ー防除方法ー

・防虫ネットを使用し成虫の飛来を防ぐことができます。

・薬剤での防除も有効です。

病気対策5つ紹介

1.【赤色斑点病】

葉・茎・さやに、直径2mm程度ある赤褐色の斑点が発生します。

春から梅雨の時期にかけて最も発生しやすくなります。進行すると病斑が融合していき、葉が落ちてしまいます。

ー防除方法ー

・発病した株はその場から離れた場所で処分し、被害の広がりや来年以降に残存することを防ぎます。

・排水の悪い場所で発生しやすいため、水はけが良い状態を保ちましょう。

・肥料は適切な量をやり、肥料切れが起こらないようにします。

2.【褐斑病】

カビが原因となり、中央部分は灰色、ふちは赤褐色の病斑が発生します。

高温多湿の条件下で発生しやすい病気です。発病後の進展が早いのが特徴で、特に高多湿の季節には感染速度が非常に早くなります。進行に伴い病斑が拡大すると、枯死こしに至ることもあります。

ー防除方法ー

・風通しを良く保ちましょう。

・発病した株はその場から離れた場所で処分しましょう。

・薬剤(ベルクートなど)による防除も有効です。

3.【立枯病】

発病初期には、葉柄や茎の下部が濡れたように褐色し腐敗します。やがて上部の葉に症状が広がり、進行するとしおれて枯死こししてしまいます。

気温が20℃くらいになると発生しやすく、結露から病気が広がることがあります。菌は多湿を好むため、梅雨の時期は特に注意が必要です。

ー防除方法ー

・水はけが良い状態を保ちましょう。

・発病した株はその場から離れた場所で処分しましょう。

4.【モザイク病】

アブラムシがウイルスを媒介することで発生する病気です。葉に白色や淡黄褐色の病斑が発生します。生育初期に感染すると、成長が阻害されて枯死こしする場合もあります。アブラムシによって媒介されるだけでなく、発病した茎や葉から分泌される汁液からも感染拡大することで知られています。

ー防除方法ー

・アブラムシの防除を行いましょう。

・発病した株はその場から離れた場所で処分しましょう。

・他の作物からの伝染にも注意が必要です。

5.【菌核病】

気温20℃前後、多湿条件で発生します。外葉の基部から発病しやすくなっています。

①褐色水浸状の病斑ができる②次第に広がり株元から腐敗し始める③株全体が軟腐していく、という流れです。悪臭はありません。

ー防除方法ー

・薬剤(カンタスドライフロアブルなど)を予防散布するのが効果的です。

・連作は避けましょう。

収穫の時期や方法

そら豆収穫

 

そら豆は旬が短く、鮮度と味覚が急速に落ちる性質があります。収穫適宜を見逃さず美味しいそら豆を収穫しましょう。

【収穫適期】

・開花後から約35~40日

・空を見上げていたさやがふくらみ、重みで下を向きさやの背筋が黒くなってきた頃

【収穫する時間帯】 

・朝方

【収穫方法】

・ハサミを使用し、実の根本付近から切り取る

そら豆を収穫する時間帯は、朝方の涼しいときがおすすめです。気温が上がってから収穫したものは、みずみずしさが失われ傷みも早くなってしまいます。

収穫時期によって、「しっとり感」と「ホクホク感」を味わうことができます。

【しっとり豆の特徴】

収穫時期が早いもの。豆がへその緒を通じて栄養を受け取っている最中なので、糖分や水分がたっぷり含まれていてみずみずしい豆です。

さやの表面の色 → 新鮮な緑色

さやの筋の色 → 緑色

・豆の状態 → へその緒との接合部分が緑色

【ホクホク豆の特徴】

栄養補給が終わり、発芽のために糖分がでんぷんに変わっているため、ホクホクとしたジャガイモのような食感が味わえます。

さやの表面の色 → 色あせている/茶色

さやの筋の色 → 茶色(さび色)

・豆の状態 → へその緒との接合部分が黒色(へその緒が外れて時間が経つことで、酸化して黒くなるため)

シンコ
シンコ
収穫後、そら豆の鮮度や味覚を落とさないようにしたいんですけど、どうやって保存するのが良いですか?
そら豆名人
そら豆名人
収穫後は、さやごとビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するといいよ。調理するときは、直前にさやから出して早めに食べきるのがおすすめだよ。
シンコ
シンコ
ありがとうございます!美味しいそら豆を食べるのが楽しみです♪

まとめ

そら豆の実

そら豆は春と秋に栽培することができる野菜でしたね。旬が短く鮮度や味覚がすぐに落ちてしまうからこそ、収穫したてのそら豆は格別に美味しく感じられるはずです。

冒頭でも触れたとおり、そら豆は栄養素が豊富な緑黄色野菜なのですが、そら豆の皮には利尿作用があり「むくみ」にも効果的なんです!

知れば知るほど魅力的なそら豆を、ぜひ空いたスペースで気軽に栽培してみてくださいね♪

 

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