まさに今、「リーフレタス」の育て方が気になっている方はいらっしゃいませんか?ついついサラダに入れたくなる「リーフレタス」を思う存分食べることができたら幸せですよね。
サラダに入れたり、お肉を巻いたり、サンドイッチに挟んだりと食卓を彩ってくれる「リーフレタス」は、なんとレタスよりも栄養価が高いんです!レタスと比較するとbカロチンは約8倍、カルシウムは約3.5倍、ビタミンCは約3倍と、美味しいうえに体にも良いのは嬉しいですね。
この記事では、初心者の方でもすぐに始められるように「リーフレタス」栽培の準備から収穫までに必要なポイント・注意点を分かりやすく解説していきます。
リーフレタスの育て方
リーフレタスは春と秋に栽培することができます。また、なんといっても成長スピードが早い野菜です。種まきから2ヶ月後に収穫でき、手入れの手間もそれほど掛かりません。丈夫で病気や害虫の心配も少ないため、初めて家庭菜園に挑戦したい方にもオススメの野菜です。
リーフレタスは、球状のレタスに比べてスペースを必要としないので、プランターでの栽培にも向いています。育て方に適している時期は、その年の気候や地域によって変動はありますが、3~4月か9~10月に種まき/苗の植え付けを行うのが良いでしょう。
【種まき】(育苗)
春まき・・・3~4月 / 秋まき・・・9~10月
【植え付け】
春まき・・・3~4月 / 秋まき・・・9~10月
【収穫】
春まき・・・4~7月 / 秋まき・・・11月~翌1月
【栽培適温】
15~20℃
【栽培期間】
種まきから収穫まで約2ヶ月
【連作】
最低でも2年は同じ場所に植えない
リーフレタスの栽培準備
分類 | キク目 / キク科 / アキノノゲシ属 |
---|---|
英名 | Lettuce |
和名 | チシャ |
土 | 市販の野菜培養土など |
おすすめの肥料 | 堆肥/苦土石灰/緩効性肥料/化成肥料など |
害虫対策 | フェロモン剤/薬剤/殺虫剤/防虫ネットなど |
病気対策 | 薬剤(ファンタジスタ顆粒水和剤/ベジセイバーなど) |
あると便利なアイテム | プランター/防虫ネット/手袋など |
リーフレタスの種類3つ紹介
1.サニーレタス
サニーレタスの特徴は、赤紫色の葉先です。苦味はほとんどなく、生の状態で美味しく食べることができます。特徴的な色をしているため、飾り付けとして料理に使うと華やかな見た目になります。
2.フリルレタス
フリルレタスの特徴は、切れ込みがたくさん入ったような葉です。葉が波打ち、ドレスのような広がり方をしているため「フリルレタス」と呼ばれています。みずみずしく苦味が少ないので、サラダやサンドイッチなどにおすすめです。
3.グリーンリーフ(グリーンカール)
グリーンリーフの特徴は、葉が緑色でカールしており、「グリーンカール」とも呼ばれています。少し苦味があるため、炒め物に入れると苦味が和らぎお子様でも食べやすくなりますよ。
土のこだわり方のポイント2つ紹介
リーフレタスは、水はけがよい中性~アルカリ性の土壌を好みます。
●畑などに地植えする場合
【植え付けの2週間前】
⇒ 苦土石灰(1平方mあたり100~150g)を土に混ぜ込む
【植え付けの1週間前】
⇒ 堆肥(1平方mあたり2kg)/ 化成肥料(1平方mあたり100g)
を土に混ぜ込む
●プランターなどに植える場合
・『赤玉土(小粒)6:腐葉土2:バーミキュライト2』を配合した混合土を使用
・市販の野菜培養土を使ってもいい
【苦土石灰】
苦土石灰の主な成分は、炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムです。強いアルカリ性肥料のため、雨などで酸性化した土壌を中和させることができます。また、カルシウムやマグネシウムの栄養補給をするときに使用します。
カルシウムやマグネシウムを与えることで、植物の根が強くなり、葉が変色して枯れるのを防いだりツヤを取り戻してくれます。
【堆肥】
堆肥は、稲わら、落ち葉、家畜ふん尿、食品残渣(食品由来のごみ)などの有機物を微生物によって分解させ、成分的に安定するまで腐熟させたものをいいます。畑に施用された堆肥は、土壌微生物や有機酸(作物の根から放出されるクエン酸など)によって分解・溶解され、作物の根から養分として吸収されます。
【化成肥料】
化学肥料の一種です。化成肥料は植物に必要な栄養素のみ(リン・カリウムなど)を抽出して作られているため、植物に与えたい栄養素だけを選んで与えることができます。効果がすぐに出るので初心者には扱いやすいでしょう。
一粒あたりに配合されている成分が均等なので、撒きムラができにくく効果がすぐに出ます。また、無味無臭で室内でも抵抗感なく使用しやすい肥料です。
畑などに地植えする場合、畝を作るときは幅60~80cm/高さ10~15cmの平畝にします。
種から植え付けるときのポイント3つ紹介
リーフレタスの種は小さいため、一粒ずつ蒔くのは大変かもしれません。その際は、種の表面にコーティングしてあるペレットシードを選びましょう。粒が大きく種まきが楽にできます。
●種の発芽適温 → 15~20℃
●種まきの時期 → 3~4月 / 9~10月
●蒔き方
【畑】
筋まき:細長い棒状のもの(支柱など)を土に押し当て列状の溝を作る。
・種の間隔1~2cm / 深さ5mm / 条間15cm以上
【ポット】
点まき:割りばしの先を細く削ったものを土に押し当て、直径5mm/深さ1cmほどの穴をあける。
・ひとつの穴に2~3粒の種を落としていく
※畑・ポットどちらも、土を被せるときは種が隠れる程度でよい
リーフレタスは好光性種子(発芽に光を必要とする植物の種)です。種を深く蒔いてしまうと太陽の光が届きにくく発芽しないことがあります。また、種まき後は土を被せすぎないように気を付けましょう。
種まき後は、被せた土を平らにならして軽く押さえます。種と土が密着するようにしっかりと水やりを行いましょう。
ポット苗から植え付けるときのポイント4つ紹介
●植え付ける時間帯 → 早朝/夕方の涼しい時間帯
●植え付ける場所 → 光の当たらない場所
●苗の本葉が3~4枚になったら植え付ける
●植え方
・苗を植える間隔:15~30cm
※株採りするとき:15cm / 摘み取りするとき:20~30cm
家庭菜園初心者の方には、苗植えからの栽培がおすすめです。
プランターに植える際は、小型(20~40cm)/標準(60~65cm)サイズで底が16cm以上あるプランターを用意しましょう。
品種によって違いはありますが、標準サイズのプランター1つに10株程度の植え付けが可能です。
間引き
リーフレタスの間引きのタイミングは、直まきした場合、葉と葉が触れ合ったときに行います。2回目以降も同様に、成長に合わせて間引いていきます。
ポットまきの場合、一度目の間引きは発芽がそろったときに行います。一か所あたり3~4本残します。最後の間引きは本葉が3~4枚になった頃に行います。
リーフレタスの「お手入れ方法」
リーフレタスは病気に強く比較的育てやすい野菜ですが、せっかく栽培するなら美味しく立派な野菜を収穫したいですよね。水やりや温度管理など野菜作りには欠かせないお手入れ方法を押さえていきましょう。
栽培場所
●風通しの良い涼しい場所
●水はけの良い場所
●日なた / 半日陰
リーフレタスを育てるときは、上記のポイントをおさえた場所で栽培しましょう。
水やり
リーフレタスは極度の乾燥が苦手です。土の表面が乾いているのを確認したら、しっかりと水やりを行いましょう。
【1回あたりの水やり量】
・露地栽培 → 1株あたり1.5~2Lが目安です。
・プランター栽培 → 鉢底から染み出るくらいたっぷりと与えます。
【水やりの時間帯】
午前中の涼しい時間帯に行いましょう。夕方に水やりを行う場合は、気温が下がってから行います。
気温が上がり始める時間帯に水やりを行うと、太陽光で根を傷める原因になってしまいます。また、水滴がレンズ代わりとなり茎葉を痛めることもあるため、注意が必要です。
気温が下がる秋以降は、夕方~夜間の水やりは控えましょう。病気が発生しやすくなるのを防ぎます。
温度と湿度
【温度】
リーフレタスの生育温度は15~20℃です。涼しい気温を好みます。
【湿度】
リーフレタスはやや乾燥を好みます。雨に弱く、湿潤な気候では病気が発生しやすくなるので気を付けましょう。
光や日当たり
リーフレタスは、昼間の日照時間が夜より長くなると「とう立ち」して花芽をつけた茎が伸びていきます。街灯などの光が夜間に当たると、長日と勘違いして「とう立ち」してしまうので、そういった場所での栽培はさけましょう。
とう立ちの「とう」とは「花茎(花を咲かせる茎)」のことで、花を咲かすための花茎が伸びてきた状態のことを「とう立ち(薹立ち)」または「抽苔(ちゅうだい)」といいます。
植物には、自分の体を大きくする「栄養成長」と、子孫(種)を残す「生殖成長」の、2つの生育段階があります。とう立ちは、生殖成長が始まったサインです。
トマトやナスなどの果菜類は、栄養成長と生殖成長が同時進行し、果実を収穫するためには花が咲くことが必要です。
しかし、コマツナやハクサイなどの葉菜類の多くは、生殖成長が始まると栄養成長が止まり、葉が固くなって食味が落ちてしまいます。
そのため、葉菜類は生殖成長が始まる前(とう立ちする前)に収穫する必要があるという訳です。
土のサイクルと(追肥)肥料の調整
リーフレタスは生育期間が短いため、基本は元肥(堆肥か化成肥料)のみで育てることができます。しかし、リーフレタスの生育が遅いときや葉の色が薄いときは追肥を行ってあげましょう。
【追肥の量】
1株あたり → 化成肥料およそ3~5g
【やり方】
①広がっている葉の下に化成肥料をパラパラと振っていく
②指先を使い化成肥料と用土を混ぜ合わせ、株元に寄せておく
害虫対策4つ紹介
1.【アブラムシ】
アブラムシは黄色や黒色の小さな虫です。繁殖力が高く、大量発生します。葉の裏に付いて吸汁し、葉の萎縮や生育阻害を引き起こします。重症化すると落葉、枯死してしまいます。排泄物によって葉をベタベタにし、すす病や様々なウイルス病を媒介する厄介な害虫です。
ー防除方法ー
・定植時、苗にアブラムシが付いていないか確認しましょう。
・天敵のテントウムシを利用して防除する方法もあります。
・アブラムシの共存相手であるアリを駆除することも有効です。
2.【ハモグリバエ】
ハモグリバエは葉の内側から侵食し、幅約2mmの白い筋のような跡を残します。被害が大きくなると、葉全体が白く見えます。幼虫が茎の内部に侵入してしまうと、作物に深刻な被害が出てしまいます。
ー防除方法ー
・防虫ネットでトンネルがけを。
・寄生蜂などの天敵を利用して防除する方法もあります。
3.【ハスモンヨトウ】
ハスモンヨトウは、寒さには弱い暖地系の害虫です。条件が整えば一年中発育と活動を繰り返します。鳥などの天敵が活動を低下させる日暮れ~夜間に卵を産み付ける傾向があります。幼虫の時期に生息域を広げ、夜間に食害行動をします。
ー防除方法ー
・葉の裏に卵を見つけたら、葉ごと処分して大量発生を防ぎましょう。
・被害があったときは、付近の土を掘って駆除することも可能です。
・薬剤や殺虫剤での防除も有効です。
4.【オオタバコガ】
オオタバコガは、多くの植物を餌にする広食性の害虫です。野菜ではトマト、ナス、キュウリ、ピーマン、レタス、ウリ類などが被害に合っています。一晩に雌一頭が200~300個もの卵を産みます。夏から秋にかけての発生密度が高くなっています。
ー防除方法ー
・防虫ネットでトンネルがけをしてみましょう。
・フェロモン剤を利用する方法もあります。ほ場をフェロモンで満たすことで、新成虫の交尾を阻止できます。
・薬剤での防除も有効です。
病気対策3つ紹介
1.【菌核病】
気温20℃前後、多湿条件で発生します。外葉の基部から発病しやすくなっています。
①褐色水浸状の病斑ができる②次第に広がり株元から腐敗し始める③株全体が軟腐していく、という流れです。悪臭はありません。
ー防除方法ー
・薬剤(ファンタジスタ顆粒水和剤/ベジセイバーなど)を予防散布するのが効果的です。
・連作は避けましょう。
2.【軟腐病】
外葉の地面と接する茎や葉から発病していきます。
①水浸状の斑点があらわれる②拡大して淡褐色の大型病斑になり腐っていく、という流れです。葉柄基部が侵されると葉がしおれてきます。茎が侵されると髄部が淡緑色水浸状になり、黒く腐り空洞化することもあります。
ー防除方法ー
・イネ科やマメ科の作物と輪作を行う方法もあります。
・排水や風通しを良くしておきましょう。
・被害株は早めに処分しておきましょう。
・雨が降る前後に薬剤(ファンタジスタ顆粒水和剤など)を散布するのが効果的です。
3.【灰色かび病】
外葉の地面と接する葉から発病していきます。
①水浸状の病斑が現れる②多湿条件ではあっという間に拡大して褐変・腐敗する③病斑の表面に灰褐色・ビロード状のカビが密生する④多量の胞子がほこりのように飛散する、という流れです。悪臭はありません。
ー防除方法ー
・水はけを良くしておきましょう。
・ハウスやトンネル栽培をする場合は、換気を心掛けましょう。
・被害にあった株は早めに除去しましょう。
・発病が分かったら、早めに薬剤(メジャーフロアブル/ファンタジスタ顆粒水和剤など)を散布するのが効果的です。
収穫の時期や方法
【収穫適期】
摘み取り収穫の場合・・・約30日 / 株採り収穫の場合・・・約2ヶ月
【見た目】
草丈 → 25cm以上 / 株の直径 → 30cm以上
【収穫時間帯】
・早朝か夕方
早朝 → みずみずしく甘みは少なめ / 夕方 → 甘みが強く水分は少なめ
【収穫方法】
摘み取り収穫 / 株採り収穫
摘み取り収穫の場合・・・株を弱らせないため、1度に3~4枚程度摘み取る(収穫後、追肥を与えるとよい)
芯葉が伸びてくると摘み取り収穫は終わりです。とう立ちすると茎葉が固くなり味も落ちてきます。最終的には株採り収穫をしましょう。
まとめ
リーフレタスは春と秋に栽培することができる野菜でしたね。育てやすく、植え付けから収穫まで約2ヶ月しか掛からないところも魅力的です。
冒頭でも触れたとおり、リーフレタスの栄養価は結球レタスよりも高く、驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。みずみずしく低カロリーで栄養もしっかり摂れるリーフレタスを、ぜひ空いたスペースで気軽に栽培してみてくださいね♪