おうち時間が増えている近頃、家庭菜園を始める方が増えています。
「簡単にできる家庭菜園って?」「何から始めたらいい?」
そんなふうに迷っている方も多いのでは?
今回は、はじめての方でもプランター1つで簡単に始められる「バジル」の育て方と失敗しないコツをご紹介します。
また一度は育ててみたものの、
「葉っぱに元気がない!」「虫に食われてしまって穴だらけ!」
と、失敗されてしまった方もこの記事を参考にぜひもう一度チャレンジしてみてくださいね。
コツをおさえて、香り豊かで元気なバジルを育ててみましょう!
バジルの育て方
イタリア料理には欠かせないバジル。鮮やかな緑色と爽やかな香りが特徴です。
実はイタリア料理だけでなく、タイ料理や台湾料理など様々な国の料理に登場します。
それではバジルの育て方をみていきましょう。
準備するもの
バジルの種または苗 | 初心者は苗からがおすすめ。苗は茎が太くて葉が元気なものを選ぶ。 |
---|---|
プランター | 5号鉢(1株あたり直径15センチ・深さ16センチ程度)以上 |
土 | 市販の「ハーブ用培養土」または「野菜用培養土」がおすすめ。 |
肥料 | 「野菜用液体肥料」または「化成肥料」 |
おすすアイテム | 鉢底石・防虫ネット |
「土」バジル栽培に適した土とは?
はじめのうちは市販の培養土を使うことをおすすめします。
「培養土」とは?
特定の植物向けに、肥料などを混ぜて調合した土のこと。
- バジル栽培には「野菜用」または「ハーブ用」の培養土を使いましょう。
- 「元肥入り」と書いてあるものを選びましょう。
ご自分で土を配合する場合
赤玉土:腐葉土:バーミキュライト=6:3:1
の割合で混ぜます。
さらにここに緩効性肥料(じっくりと効果が持続する肥料)を混ぜます。
使用方法説明に従い計測して与えましょう。
「種からはじめる方!まき方」4月下旬~6月上旬
バジルは種の発芽には20℃以上の温度が必要なため、
種まきは早くても4月下旬以降の朝晩の冷え込みがなくなってくる頃からはじめましょう。
種まきの手順
- プランターの底が隠れるまで鉢底石を入れる。(水はけをよくするため)
- その上から培養土をたっぷり入れる。(フチから3センチ程度のところまで)
- 4~5粒程度の種を指先でつまんで1箇所にパラパラとまく。(長方形の大きなプランターの場合は1箇所に4~5粒ずつ、20センチ程度間隔を空け、数か所にまきます。)
- 種が薄く隠れる程度に土をかぶせる。(被せすぎないように注意!)
- 最後に、プランターの底から流れ出るくらいのたっぷりの水をあげて種まき完了!
種まき後、通常1週間程度で発芽します。
たくさん芽が出てきて隣同士の葉が触れ合うようになった頃、丈夫な芽だけを残すようにして間引きをしましょう。
「間引き」とは?
発芽後、生育が良い芽に栄養を集中させるために、その他の弱い芽を抜き取ること。
- 気温20℃以上
最低気温を確認しておき、冷え込む日があれば夜は室内(玄関など)に一旦入れてあげると安心です。
- 乾燥させない
土が保湿されている必要があります。定期的に水やりをしましょう。
- 種に土をかぶせすぎない
バジルは「好光性種子」といって、発芽に光を必要とした植物です。種まきの際に、種に土を被せすぎないように注意しましょう。
「苗からはじめる方!植え方」5月上旬~7月上旬
はじめての方は苗から始めるのがおすすめです。
苗は葉が元気な緑色で茎がしっかりと太いものを選びましょう。
弱々しい苗は病気にかかりやすく、元気に育ちにくい原因となります。
バジルを育てる適温は25℃前後のため、
5月上旬以降の安定して暖かくなってくる頃からはじめましょう。
苗の植え方の手順
- プランターの底が隠れるまで鉢底石を入れる。
- その上から培養土をたっぷり入れる。(フチから3センチ程度のところまで)
- 苗ポットと同じサイズの穴を掘る。
- ポットから苗を土ごと取り出し先程掘った穴に入れる。(苗が傷つかないように丁寧に扱う)
- 株元に土を少しかぶせて、軽く押さえる。
- 最後に、プランターの底から流れ出るくらいのたっぷりの水をあげて苗植え完了!
これでバジル栽培の準備が整いました。
バジルのお手入れ方法
「栽培場所」日当たり・風当たりの良いところ
バジルはお日様が大好きです。日当たりの良い日なた、または半日陰で育てましょう。
実はバジルは室内でも生育可能で、日当たりがよく風通しの良い場所であれば元気に育ちます。
「水やり」土の表面が乾いたら、たっぷりと
バジルは乾燥が苦手な植物です。土の表面を触って乾いていたら、たっぷりと水を与えましょう。
春秋は1日1回、夏は朝夕に2回の水やりが目安です。
ただ天候によって変わるため、土の状態を確認しましょう。
表面を触って少し湿り気が残っている場合は、水やりは不要です。
「追肥」葉が10枚以上になったら
「追肥」とは?
肥料を追加で与えていくこと。
バジルは肥料が切れてしまうと花を咲かせて種をつくり8月頃には枯れてしまいますが、追肥をすると9~10月頃まで収穫が楽しめます。
葉が10枚以上になる頃から追肥をしましょう。
野菜用液体肥料を1週間に1回、水やりのタイミングで与えます。
化成肥料の場合は、2週間に1回10gを程度与えます。
「収穫」6~10月頃まで何度も
バジルは6~10月頃まで、長い期間に渡り収穫が楽しめます。
お料理に使いたいときに少しずつ収穫!というのももちろんいいですね。
また、これからご紹介する2つの方法でさらにバジルをたくさん収穫しましょう!
①「摘心」苗が20センチ以上になったら
「摘心」とは?
幹の途中で幹ごと葉全体を切ってしまうこと。
苗が全長20センチ程度になったら摘心のタイミングです。
下から数えて6枚分ほどの葉を残して、それより上の葉は、幹ごと切ってしまいましょう。 すると、切ったところから幹が二手に分かれてまた伸びていきバジルはどんどん葉をつけていきます。また生長したら摘心を3~4回繰り返します。
②「切り戻し剪定」開花前(7月上旬頃~)
「切り戻し剪定」とは?
不必要に伸び過ぎた部分、混み合っている部分などを切り取ること。
モリモリと育った葉っぱを半分~3分の1くらいに切っていきます。
葉を1枚1枚切るのではなく、幹ごとバッサリと切りましょう。スッキリさせてあげるようなイメージです。蒸れを防ぎ、害虫被害の防止にも繋がります。
また、バジルは花が開花してしまうと葉が育たなくなってしまうため、長く収穫を楽しみたい方は、つぼみを見つけたら切っておきましょう。
- 「摘芯」はまだ葉がそれほど多くないうちからあえて切ってあげることで、モリモリと葉をつけるバジルにしてあげるイメージです。
- 「切り戻し剪定」は増えすぎた葉を切ることで蒸れを防いだり、つぼみをカットすることで開花を防いだりします。「切って元に戻す」というイメージです。
「害虫予防と対策」おすすめ2つの予防法
アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニ、ナメクジ、バッタ…
バジル栽培の失敗原因の多くは害虫被害です。
あれだけいい香りがしたら虫たちが集まってくるのも無理ないですよね。
でも…葉が収穫部分であるバジルはひと口たりとも食べられるわけにはいきません!
バジル栽培の成功の鍵を握っているのは、害虫被害の予防です。
次にご紹介する方法で万全な予防と対策をしましょう!
予防
- 物理的に遮断「防虫ネット」
プランターに支柱を立てその上にネットを被せるタイプ、プランターごとスッポリと覆ってしまうボックスタイプなど、様々な防虫ネットが販売されています。100円均一でも手に入りますよ。
- 匂いで遮断「手づくり虫除けスプレー」
バジルは葉が可食部ですので、殺虫剤は使用できません。
それならば!人には無害な虫除けスプレーを作ってみましょう!
【材料】
- 純米酢 400ml
- トウガラシ 5本~
- ニンニク 2片~
- 500mlのペットボトル
【作り方】
- トウガラシのヘタを切り、種を取り除く
- ニンニクの皮をむき、包丁の腹などで押しつぶす
- ペットボトルに純米酢を注ぐ
- トウガラシとニンニクも③に入れて完成!
この原液、1ヶ月以上漬け込んでおくとより効果がみられますよ。
手作り虫除けスプレー参考ページ:LOVE GREEN
対策
それでも虫食いにあってしまうこともあります。
対策としては、見つけたらすぐに除去することです。
- 直接つまんで取り除く
- 割り箸などを使って取り除く
- ブラシでこすり落とす
など色々なやり方がありますので、ご自分のやりやすい方法でやってみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
バジルの育て方、お手入れ方法、失敗しないコツについてお伝えしてきました。
「意外と気をつけるポイントが多いし…本当に簡単にできるの?」そんなふうに思われた方もいらっしゃるかもしれません。
たくさんのコツや注意点をお伝えしてきましたが、
実はバジルって結構勝手にスクスク育ってくれるものです。生命力の強い植物なのです。
まずは一度やってみて、うまくいかないことがあれば、ぜひまた読み返してみてください。
お家で摘んだバジルをちょこっと加えて、より豊かな食卓ライフを送りましょう!