ビールのお供に欠かせないおつまみの一つ、今回は「枝豆」の育て方が気になりませんか?お酒を飲まない方でも、食事の箸休めとしての副菜や、「枝豆」を使った料理などにも使えますね。重要なポイントを知ることで、凄く美味しい枝豆が自宅でできるって知ってましたか?
この記事では、初心者でもわかりやすい「枝豆」の育て方を、お手入れ方法や失敗しない方法を含めて解説します。きっとあなたも家庭菜園を始めてみたくなることでしょう。
「枝豆」の育て方
「枝豆」の栽培は、初心者でも簡単に始めやすいので、家庭菜園の中でも人気の豆野菜ですが、とても奥が深いものがあります。「枝豆」とは、大豆の未成熟の豆のことで、完熟すると大豆になります。大豆が熟す前の緑色の状態のときに収穫したものが「枝豆」です。
「枝豆」は野菜類に属し、完熟した大豆は豆類となります。「枝豆」には、熟期の違いから極早生種から晩生種まであります。育て方に適している時期は、一般的に7月初旬ごろの収穫に向け、4〜5月にかけて種をまき始めます。
栽培準備
枝豆の種 | ・極早生種(80日タイプ)/早生種(85日タイプ)/中早生種(90日タイプ)/中生種(95日タイプ)/晩生種(100日タイプ) ・「白毛豆(青豆)」「茶豆」「黒豆」の3種類 |
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土 | 団粒構造で通気性や保水性のバランスのとれた土 ゴールデン粒状培養土野菜用/市販の野菜用培養土など |
害虫対策 | トンネル支柱/ネット/野菜用薬剤など |
おすすめの肥料 | ボカシ肥/マイガーデンベジフルなど |
あると便利なアイテム | プランター/スコップ/ハサミ/ひも/黒マルチ/カッターなど |
枝豆の種類
・熟期による種類
「枝豆」には、熟期の違いから極早生種から晩生種まであります。
【4~5月】
・極早生種(80日タイプ)…「奥原早生」「天ヶ峰」など
・早生種(85日タイプ)…「ふさみどり」「いきなまる」など
・中早生種(90日タイプ)… 「とびきり」「味源」など
【5〜6月】
・中生種(95日タイプ)…「夕涼み」など
【6月中旬以降】
・晩生種(100日タイプ)…「とこいろ」など
参考:サカタのタネ
・子実の色による種類
「枝豆」は、子実の色により白毛豆(青豆)、茶豆、黒豆などに分類されます。
・「白毛豆(青豆)」(子実の色は肌色)
全国的に広く流通しているのが「白毛豆」です。さやの部分に白い産毛が生えており、種子が大豆特有の色や薄緑色をした状態のものは「青豆」とも呼ばれています。さやは色鮮やかな緑色で、白色の産毛があり節の間隔が狭く、3粒ほどの豆が入っているのが特徴です。
・「茶豆」
さやに入った豆が茶色の薄皮で覆われているのが「茶豆」と呼ばれます。さやの見た目は普通の枝豆と同じですが、さやの中の豆は2粒入りであることが多いのが特徴です。独特の香ばしい香りと風味があり、山形や新潟で作られる「茶豆」が有名です。
・「黒豆」
さやに入った豆の薄皮が少し黒みを帯びているのが「黒豆」と呼ばれます。枝豆となるものは、黒大豆が熟す前の若い状態で収穫して、成熟したものはお正月の煮豆料理にも使われます。豆の粒が大きく、味わいにも深いコクと独特の甘みがあるのが特徴です。「丹波黒大豆」に代表されるように大粒で品質にすぐれるものが多いです。
これを目安に種をまけば、9月のお彼岸過ぎまで連続して収穫を楽しめます。
土のこだわりポイント
「枝豆」は、細い根を地中深くまで張りめぐらせる性質を持ちます。「枝豆」を栽培する用土は団粒構造が良好で、通気性や保水性などのバランスのとれた土が最適です土壌酸度は、pH6.0〜6.5の弱酸性〜中性が適正になります。
・プランターの場合
用土の配合は、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混ぜ合わせたものを使用します。さらに配合用土10Lに対し、苦土石灰10g、化成肥料20gを混ぜ合わせ、1週間なじませてから使用します。
・地植えの場合
①種まきの2週間前に、畑1㎡あたり苦土石灰100gをまいて耕しておきます。
②その1週間後に、畑1㎡あたり堆肥2kg、化成肥料100gを全体にまいて耕したら、標準的な畝(幅70cm、高さ15cm)を作り、黒マルチを貼っておきます。
プランターで栽培する場合、軽石配合で鉢底石が不要な市販の団粒構造の粒状培養土がおすすめです↓
植物の生育が抜群に良く、根も葉もいきいきと育つ保水性・通気性・排水性に優れた粒状培養土です。植物の生育に最適な団粒構造にすることで根張りが良くなり、栄養分を安定して吸収しやすくなります。乾くと土の色が灰色に変わるので、水やり時がわかります。水を与えると黒色になります。
種から植えるときのポイント
「枝豆」の種まき時期は、5月上旬〜5月下旬が一般的で、発芽温度が25〜30℃なので十分に暖かくなった時期に種まきをしましょう。
・地植えの場合
マルチを張った畝に、カッターを使って20cm間隔で穴を開けていきます。
・プランターの場合
15cm間隔で、深さ2cmほどのくぼみを軽くつけます。
どちらも種のまき方は、点まきで1ヶ所につき2〜3粒の種をまいて、やさしく平らになるように覆土しましょう。
・土にお水をたっぷり含ませた状態で種をまく
・一晩、種に水を含ませてからまく
どちらかをすることで発芽しやすくなります。
ポット苗から植えるときのポイント
「枝豆」の苗から植える場合、初心者はより育てやすい苗から栽培しましょう。茎が太くて葉色が濃い、元気な苗を選びましょう。
①プランターに野菜用培養土などを入れ、スコップで土に苗と同じぐらいの穴を掘ります。
②人差し指と中指で苗をやさしく挟んで、そのままポットごとひっくり返し、土の部分を崩さないようにゆっくりポットを引き上げます。
③苗をやさしく鉢土ごと①の穴に植えます。このとき鉢土の1/5がプランターの土から出るくらいに浅く植えるのがポイントです。
④植えたら土を2~3cmかるくかけ、底から水が出るぐらいたっぷり水をあげましょう。
プランターを選ぶポイント
枝豆のプランターを選ぶポイントは、生育後期には深く根を張り出すため、深さ20cm以上のプランターを使うようにしましょう。
これで枝豆の栽培の準備は完璧です。
枝豆の「お手入れ方法」
「枝豆」は種まきから1週間前後で発芽します。初生葉が出た時点で、鳥の食害はなくなりますので、不織布は「枝豆」の生育の妨げとなりますので、この頃に不織布を外しましょう。
栽培環境
・日光
「枝豆」は、日光を好むため一日のうち6時間以上、日に当てることで元気いっぱいに育ちます。直射日光があたっても問題ないので日当たりと風通しの良い屋外で育てましょう。
・温度
「枝豆」の生育適温は20~25℃です。寒さに弱く、温暖な環境を好みます。
間引き
本葉が出てきたら、いくつか生えている芽から芯が太くてしっかりした芽を残し、成長が遅れている元気のないものを間引きをして、1~2本立ちにします。
水やり
・地植えの場合
それほど水やりせずに天候にまかせてもある程度よく育ちます。
・プランターの場合
「枝豆」は乾燥に弱いので、土の表面が乾いたら、鉢底から水がしみでるまでたっぷりの水を与えましょう。特に枝豆のさやが膨らむ頃は水分が重要になります。
肥料と追肥
豆科の植物は、根粒菌を持っているので、自分で栄養を得ることができます。そのため他の作物と違い、あまり肥料を必要としません。
追肥は1回でも問題なく育ちますが、葉が黄化したり育ちが悪い時は、時間をあけて株の様子をみながら、数回肥料を与えてましょう。肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
・地植えの場合
マルチをめくり畝の片側に、1㎡あたり20〜30gの化成肥料を施すようにします。
・プランターの場合
一株につき、3〜5gの肥料を周りにまきます。
土寄せ
株元に周りの土を寄せる作業を「土寄せ」といいます。
・地植えの場合
草丈10cmの頃に1回目の中耕をします。畝の間を軽く耕し、株元に土寄せします。草丈20cm〜30cmに成長したところで、2回目の中耕と土寄せを行います。中耕することで、雑草を防ぎ苗の根に酸素を送る効果があります。
・「プランターの場合」
枝豆の苗がある程度成長してきたら、数回に分けて周りの土を耕し、その土を株元に寄せてあげます。この作業を行うことで、苗が倒れるのを防ぎ、根も成長しやすくなります。
害虫対策
枝豆は、カメムシの被害によくあいます。花が咲く頃からよく見られ、実が小さいうちに栄養を吸い取ってしまうので、実が太らなくなります。見つけたらすぐに、野菜用の薬剤や手で取り除いていきましょう。
また、イモムシにも注意しましょう。さやに侵入した穴があれば、さやごと取って処分しましょう。
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摘心、支柱
・摘心
枝豆のさやが付くのは、節の部分、葉や枝のつけ根です。そのため、枝数が増えれば節の数も増えて、収穫量が多くなります。枝数を増やすのに効果的なのが「摘心」です。
・支柱
枝豆は上に向かって茎を伸ばすため、強風や豪雨で倒れやすくなります。
①苗を植え付ける時
②草丈が30cmほどになった時
株元の土を山だかに寄せ、横に1mほどの支柱を立てましょう。
収穫
枝豆の収穫時期は、だいたい7月下旬〜8月下旬頃ですが、枝豆の収穫時期の見極めは、意外と難しので、豆が硬くなってしまう前に収穫しましょう。目安としてさやを指で押して中から豆が出てきたころが収穫適期です。
根ごと一気に引き抜く方法もありますが、充実したさやをひとつひとつハサミで収穫すると長期間収穫を楽しむことができます。
枝豆は、花が咲いても実が十分に肥大しないことがあります。
・日当たりが悪い場合
・チッソ肥料が多すぎる場合、茎が長くなって花数は少なくなります。
「開花期」
・水分不足や高温になった場合は、花が落ちることが多くなります。
・カメムシなどの害虫が発生した場合は、さやはつきますが実が太りません。
「枝豆の育て方」まとめ
枝豆の栽培方法は、初心者でも始めやすいので簡単なように思えますが、意外と奥が深くていくつものポイントがありましたね。
今では、スーパーやコンビニでも冷凍した枝豆を買うことができますが、自分で育てた「枝豆」は新鮮で、格別に美味しいことでしょう。いつもの晩酌のお供や、パスタや和え物などの料理のレパートリーも増え、おうち時間を楽しむことができます。
・深さ20cm~30㎝ぐらいのプランターを用意しましょう。
・市販の野菜用培養土や、団粒構造の粒状培養土を使用しましょう。
・種からまく場合、苗から植える場合の手順で植え付けましょう。
・適温は20~25℃で、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
・太くてしっかりした芽を残し、元気のない芽をハサミで根元から切りましょう。
・土の表面が乾いたら、たっぷりの水を与えましょう。
・葉が黄化したり育ちが悪い時は、様子をみながら数回、肥料を与えましょう。
・苗が成長してきたら、数回に分けて周りの土を耕してその土を株元に寄せましょう。
・トンネル支柱や防虫ネットを使用したり、野菜用の薬剤を活用しましょう。
・本葉5枚が展開する頃に、一番上の芽をを摘み取りましょう。
・草丈が30cmほどになったら、横に1mほどの支柱を立てて軽くひもで結びましょう。
・さやを指で押して中から豆が出てきたら収穫しましょう。
枝豆のタンパク質にあるメチオニンはビタミンB1、ビタミンCと共にアルコールの分解を促し、肝機能の働きを助ける働きがあり、飲み過ぎや二日酔いを抑える働きがあるそうです。そういうことからもお酒のおつまみには最適といえるでしょう。枝豆は野菜の中では群を抜いて沢山含んでいます。
枝豆、にんにくみじん切り、オリーブオイルをフライパンに入れて、蓋して中火で5分。たまに揺する。塩で味付け。最高! pic.twitter.com/56i4H8rEoX
— 山口祐加@自炊料理家 (@yucca88) August 7, 2021
さぁ、あなたも家庭菜園に挑戦してみませんか?いつもの食卓が自分で育てた野菜で、とても楽しい時間になりますね。